ノーベル賞受賞科学者、若者と対話　―　日常生活に潜む化学の神秘を深く解き明かす

2025年7月20日、上海科技館のブランド教育イベント「科学の時空を越えて・科学革新校長ステーション」の最新回が上海自然博物館で開催されました。今回のイベントには、2016年ノーベル化学賞受賞者であり、オランダ・フローニンゲン大学の教授であるベン・フェリンガ氏が特別に招かれ、化学および分子科学分野の最先端トピックをテーマに講演を行いました。この講座は、一流の科学者と一般市民との対話の架け橋となることを目的としています。

講演でフェリンガ氏は「発見の楽しさ」というテーマで、自身と研究チームによる「分子モーター」や「分子スイッチ」の研究における画期的な進展を振り返りました。精密な化学合成によってナノスケールで制御可能な運動を実現する分子マシンをいかに構築するかを詳しく解説しました。フェリンガ氏は、合成化学の創造力はすでに自然の設計を超えており、分子レベルの世界を構築する上で無限の可能性を秘めていると指摘しました。このような技術は医薬品からディスプレイに至るまで、幅広い分野への応用が期待されています。特に、現在の中核的課題はナノスケールでの運動をいかに精密に制御するか、そして動的な分子システムをいかに開発するかにあると強調し、分子ナノ科学の未来には無限の可能性が広がっていることを強調しました。